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不動産各社、シニア向け住宅事業を強化 認知症配慮の内装や新ブランド


SankeiBiz 4/27(木) 8:15配信

不動産会社の間で、シニア向け住宅事業を強化する動きが相次いでいる。東急不動産は、色使いを中心に認知症に優しい内装にしたサービス付き高齢者向け住宅「グランクレール世田谷中町」(東京都世田谷区)を9月に開業する。野村不動産は高齢者住宅の新ブランド「OUKAS(オウカス)」を導入。今後10年間で5000戸の供給を計画している。首都圏の新築マンション販売が苦戦を強いられている中、高齢者向け住宅は数少ない有望市場のようだ。

 東急不動産の「グランクレール世田谷中町」は英スターリング大学と提携し、「認知症が進行しないデザインを導入した」(小室明義執行役員)という。例えば、トイレのドアを最も認識しやすい色である黄色に統一したほか、トイレや浴室の手すりを真っ赤にし、床の色のトーンを統一して転倒しにくい配慮を施した。同大学によると認知症に優しいデザインの導入によって、廊下での転倒が約7割減少したという。

 さらに、廊下などのコーナーに丸みを持たせることで、衝突した場合にも大きなけがにつながりにくくしている。

 朝日生命保険の認知症に特化した保険が年間の販売目標を4割近く上回るなど、認知症への関心は急速に高まっている。東急不動産は今後、今回のプロジェクトのような認知症対策に力を入れた住宅の販売に注力する考えだ。

 野村不動産はオウカスで、独自のプログラムによって成果を家族・友人間でも共有できる運動サービスなど、各種サービスを提供する。第1弾として「ふなばし森のシティ」(千葉県船橋市)の近接地にサービス付き高齢者向け住宅を建設する。

 日本土地建物も同住宅事業に参入、「グランドマスト横浜鴨居」(横浜市緑区)を完成させた。夫婦でも居住可能な広めの住戸とした点が特徴だ。

 不動産経済研究所(東京都新宿区)によると2016年度の首都圏の新築マンション発売戸数は、前年度比4%減の3万6450戸。建築コストは高止まりしており、今後需要が大きく反転することは見込みにくい。

 こうした中、高齢者の人口は着実に増え続けており、要介護認定の比率も着実に上昇している。シニア向け住宅をめぐる開発競争が一段と激化することは必至だ。