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「相続トラブル」回避のため、今すぐすべきこととは?


PHP Online 衆知(THE21) 2/10(金) 19:50配信

相続は「自分は大丈夫」という人ほど危ない
親の死を連想させるからと、相続の話をできない人は多いはず。次の機会に……と、対策を後回しにしておくと、取り返しのつかない事態に陥ることも。相続に関するトラブルは、資産家だけの問題ではない。そこで、相続問題に詳しい弁護士の長谷川裕雅氏に、相続でモメる事例をうかがった。当てはまる人は、「いざそのとき」に困らないよう、日頃から考えておこう。

ごく普通の家族にも相続トラブルの危険が!
「相続問題なんて、わが家とは無関係」。そう思っていたら、思わぬ相続トラブルが発生したり、遺産分割がまとまらず相続税が高額になって愕然とする。相続の現場で、そのようなご家族が数多くいらっしゃいます。
「うちは大丈夫」という過信は禁物。家族や資産状況を見直し、時間の余裕があるうちに対策を打てば、トラブルや経済的損失を回避することは可能です。
 まず相続のしくみをざっと見てみましょう。たとえば、父親(被相続人)が亡くなった場合、配偶者(妻)と子供が法定相続人となります。相続分は妻が2分の1、子供が2分の1。子供が複数いる場合は、2分の1を子供の人数で割るのが基本的な法定相続です。
 相続財産となるのは、預貯金や有価証券、不動産の他、自動車、骨董品、宝石、ゴルフ会員権なども該当します。
 法律であらかじめ相続人や対象となる財産が定められている以上、法に従って粛々と遺産分割をすれば丸く収まるのではないかと思いがちですが、いざお金が絡むと自分の取り分を多く主張する相続人が現われたり、予期せぬ財産が出てきたり、不動産の評価額で意見が対立したりと、家族の中であいまいにしてきたことが、問題として浮上する――相続とはそのような局面でもあるのです。
 よく問題になりがちな事例は次のとおりです。
 モメる事例第1位は「所有が不明確な財産がある」ケース。たとえば、老後に父が住むマンションを長男が買い、名義は父という場合。父が亡くなったあと、マンションも父の相続財産であると他の兄弟が主張してくる可能性があります。逆のパターンで、息子名義で家を建てたとしても、実際には父がお金を出していることもあります。
 第2位は「相続財産が自宅不動産のみ」である場合。両親が亡くなり長男が実家に住み続ける場合、他の兄弟が相続分を主張すれば、長男は兄弟に代償金を払うか、家を売却して現金にして、それを分けなければなりません。
 不動産価格次第で代償金の額も大きく変わりますが、不動産価格は相続税評価額と時価がかけ離れることがほとんど。さらに、不動産は流動性が低く、生活の場ともなるので他の資産より税率が低く設けられています。いざ相続税を払う段になったら、不動産を相続した長男はわずかな相続税ですみ、現金を相続した二男には高額な相続税がのしかかってくることもあります。
 実家が事業を営んでいる場合も争いに発展しやすいケースです(モメる事例第3位)。後継者となる相続人が他の相続人より多く相続することになるからです。自宅不動産や事業用財産といった現金化しにくい資産を引き継ぐ場合は、兄弟間で不均衡が生じ、争点となる可能性が高いのです。